問題を解決するカギは意識改革

臭い物に蓋をすると、後々何かしら悪い影響が出てくるのは当然のことです。2025年問題は、正に臭い物に蓋をして来た事に対する、日本が抱える問題と言えます。2025年問題の代表的な懸念点は、お年寄りが増える事によって医療費が増える中、税収を収める若者が減る問題です。医療費のみならず、年金についての納付と支給のアンバランスが起きる事も指摘されています。

また、2025年問題を引き起こしてしまう主な原因の一つとして、選挙も挙げらます。選挙は、大人数の方から支持される方が当選する事は、民主主義の日本国では当たり前の話しです。高齢者が多いことを考えれば、若者を増やす税金の使い道よりも、多くの人がいるお年寄りが喜ぶ様な税金の使い道を行う方が、選挙に当選しやすい現象が起きやすくなります。こうした実情を踏まえて、日本国が、この問題を乗り越えるためには、国民全員による意識改革も重要だと言えるのです。

江戸時代以前の日本では、年金制度もなければ、医療費を国が負担してくれる事もありませんでした。お年寄りも含め、孫や子供達が一緒に暮らしていた時代であり、コミュニティに属していないと暮らしが回らないことから、どこでも地域住民全体で支えあっていました。そのため今のように「自分さえ良ければ」という気持ちは芽生えにくかったのではないでしょうか。現代はコミュニティが希薄であり、若者と高齢者の繋がりもほとんど無いため、全体のバランスが崩れてとても悲しい世界が出来上がろうとしているように感じます。

人が年を取り、定年を迎えば仕事から開放され悠々自適な生活が待っていると考えるのは大いに結構です。しかし、そんな中でも「自分の得」のみを優先するのではなく、後世に何かを残そうと考えることで、健康な心身を保つことも大切かと思います。自然の仕組みは、他者に恩恵を与える事によって、自身も恩恵を受けるようになっています。もっと社会と関わり合い、恩恵を与えていく事が重要なのです。高齢化問題を解消するためには、それぞれの意識改革からはじめなければなりません。